夫婦共有名義で不動産を所有する場合のメリット・デメリット
夫婦で不動産を共有名義で所有することには、以下のようなメリットがありますが、同時にデメリットも考慮する必要があります。
メリット
1.住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられることができる 共有名義で不動産を登記すると、夫婦それぞれの収入に対して住宅ローン控除の適用を受けることができます。
住宅ローン控除は、所得税と住民税から住宅ローンの年末残高の0.7%が減税される制度です。
新築住宅では13年間、中古住宅では10年間の控除期間が適用されます。
夫婦が共働きの場合、共有名義の方が単独名義よりも減税額が多くなり、税金面でのメリットがあります。
ただし、共有名義でも実際の所有権は夫婦間で共有されるわけではなく、登記上の持ち分が分かれるだけです。
したがって、将来的な売却や相続の際には、登記上の持ち分に基づいて権利が分配されることになります。
2.遺産分割の手続きが煩雑になる場合がある 共有名義のままでは、夫婦の一方が亡くなった場合、遺産分割の手続きが煩雑になることがあります。
共有名義の不動産は、相続手続きが必要となり、遺産分割協議書を作成し、相続人一同の合意を得る必要があります。
この手続きは時間と手間がかかるため、事前の計画や対策が重要です。
参考ページ:共有 名義でローン は 夫 のみで離婚 財産 分 与 家 共同 名義の場合のメリット・デメリット
デメリットと注意点
1.売却がしにくくなる 共有名義の不動産を売却する場合、全ての共有者が同意する必要があります。
共有者の中に同意しない者がいる場合、売却が難しくなる可能性があります。
2.相続や離婚時の問題が生じる可能性がある 共有名義の不動産は、相続や離婚時に問題が生じる可能性があります。
相続時には、登記上の持ち分に基づいて不動産の権利が分配されるため、遺産分割の手続きが煩雑になるかもしれません。
また、離婚時には、不動産の分配や売却に関する問題が生じることもあります。
以上が夫婦共有名義で不動産を所有する場合のメリットとデメリットについての説明です。
具体的な状況や将来の計画に応じて、共有名義を選択するかどうかを判断することが重要です。
必要に応じて、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
離婚時の財産分与における問題点:住宅の売却拒否や相続の複雑化
特に問題となるのが、離婚した際の財産分与の時です。
例えば、夫が自分たちのマイホームを売却したいと思っても、共有名義人である妻がその売却を拒否し、住み続けることを主張した場合、実際には売ることができません。
なぜなら、夫婦のどちらかが貸している住宅ローンを一人で負担することになるため、金融機関への連絡や承諾が必要になるからです。
また、もう一つのデメリットとして、相続が発生した場合に所有者が増えることが挙げられます。
例えば、共有名義人の一方が亡くなり、その相続人が複数いる場合、当初は2人だった住宅の共有名義が、3人や4人と増えていく可能性があります。
これにより、所有権や住宅ローンなどの管理が複雑化し、問題が生じる恐れがあります。