ブータン初のミス・ユニバース世界大会出場者であるタシ・チョデンさん(23)は、同国で唯一、同性愛を公言している有名人だ。
同性愛を公言しているミス・ブータン。
ヒマラヤ山脈に位置する仏教の小国ブータンは、経済成長よりも国民の幸福を優先する「国民総幸福量」の理念で知られている。
しかし、昨年2月までは、同性間の性行為は「自然の摂理に反する」として刑法で違法とされていた。
そのため、80万人の国民とLGBTQを抱えるブータンの代表として、今年のミス・ブータンに選ばれたことは「大きな出来事」だとチョーデンは言います。
「ミス・ユニバースのような大きな舞台では、ブータン社会だけでなく、少数民族の代表でもあるのです」とチョーデンは言います。彼らの声を代弁することになるのです」。
14歳のときにすでに両親を亡くしているチョーデンは、「いろいろと調べ、自問自答した」結果、昨年6月のワールド・プライド月間にカミングアウトしたという。
当初は、保守的で宗教的な親族から「ものすごい反対」を受けたという。しかし、親族の賛同を得ることは、カミングアウトの重要なステップだった。
しばらくすると、とても理解してくれるようになった」という。家族や親戚に受け入れてもらえない人も多いので、とてもありがたいことです」。
ミス・ブータンに選ばれ、ミス・ユニバースに出場した後、インターネット上では「ネガティブな反応」もあったが、チョデンの姿勢は国内外から支持を集めているようである。
ロタイ・ツェリン首相も個人的に祝辞を述べ、チョデンの幸運を祈った。
一面への道
ブータンでは最近、同性間の性行為が違法でなくなり、性的少数者に対して寛容になってきている。